- 1人~4人
- 40分~80分
- 13歳~
- 2018年~
エバーデールハナさんのレビュー
プレイしたのでレビューします
【世界観とコンポーネント】
テーマは自然豊かな土地に動物達の街を発展させるという牧歌的なもの。そのテーマに合った美しく可愛らしい大量の動物カードや、ハイクオリティなコンポーネントが魅力のゲームです。とにかくカードのイラストが可愛く、それだけでも十分に惹き付けられます。加えて圧倒的インパクトのエバーツリー(永遠の木)、ワーカーやトークンの凝った造形等、見た目は文句なく満点だと思います。
【ゲーム性】
コンポーネントに力が入っているゲームですが、ゲーム性も分かりやすく、かつ、非常に奥が深いものになっています。
ワーカープレイスメント+カードゲーム。
プレイ内容は極めてシンプルで、自分のターンに出来ることはワーカーを配置してリソース(素材やカード)を得るか、リソースを使ってカードをプレイし自分の街を発展させるかの2つだけです。
両方やり尽くしたら季節(ラウンド)を進め、全員が四季を終えたら終了となります。
最初の冬は資源がなく、ワーカーが2人しかいないためほとんど何も出来ませんが、季節が進むごとにプレイしたカードの効果が累積していったり、ワーカーが自然に増えて行くため、加速的に選択肢が増えて行くことになります。
また、カード同士のコンボやシナジーが強く、「特定のコストを揃えてカードをプレイする」というカードゲーマーにとても馴染みのある仕組みを採用しているので、カードゲーム好きには刺さると思います。
エバーデールの特徴的な仕組みとして、
・自分の街の広さ(カードプレイエリア)に制限がある
・ラウンド進行速度がプレイヤーによって違う
といった点が挙げられます。
《街の広さに制限がある》
プレイエリアが15スペースと決められているため、1スペース毎の点数効率と盤外点が非常に重要になります。リソースが拡大するカード、低コストで使いやすいカードばかりプレイしていると勝利点が伸びず、逆に高得点カードばかり意識していると展開が出遅れて15スペース使いきることすら出来ない、、という葛藤があります。プレイ済みのカードを入れ替える手段も少なく、バランス取りがとても悩ましいです。また、15スペースに限られているからこそスペース外の得点獲得手段が勝敗を分けるようになります。主な盤外得点源である「イベント」は自分の街に特定のカードの組み合わせを配置した状態でワーカーを送り込むと達成出来るようになるのですが、すべて早い者勝ちです。そのため他のプレイヤーの街の状況を常に見て、どのイベントを狙っているのか見極める必要があります。
《ラウンド進行がプレイヤーによって異なる》
自分のターンに出きることが「ワーカー配置」か「カードプレイ」しかなく、ワーカー回収手段がラウンドを進めるしかないため、カードのプレイ回数によって1ラウンドの長さに差が出ます。しかも、ラウンドを進める選択をしたプレイヤーは他のプレイヤーのラウンド終了を待つことなく次のラウンドを始めるため、プレイヤー毎にプレイしているラウンドが異なるという他のゲームであまり見られない状況が発生します。
カードをたくさんプレイしていると街は順調に発展する反面、他のプレイヤーの増えたワーカーが場を埋めるため窮屈なプレイになったり、最終ラウンドに発生する盤外点争いに出遅れるリスクがあります。逆にラウンド進行を遅らせることで他のプレイヤーの動きを見て動けるようになったり、良い場所を占有し続けて妨害出来たりもします。
また、ラウンド移行、つまりワーカー回収タイミングが全員違うので、周りのプレイヤーがいつワーカーを回収するのかを注視する必要が出てきます。
「置きたい場所が埋まってるけど、あのプレイヤーはリソースが切れたから次のターンにワーカーを回収するはず」とか「あのプレイヤーはイベント条件満たしているけど、ワーカーが切れたからしばらくイベント達成出来ないはず」等々。
このあたりの駆け引きが他のゲームにないプレイ感を生み出していると思います。
これらの特徴からエバーデールは直接攻撃手段が乏しいにも関わらず常に周囲のプレイを意識しないといけないゲームになっています。ソロプレイ感がなく、理不尽な攻撃も少ないため嫌厭されることが少ないゲーム性だと思います。
【気になる点】
欠点の少ない優秀なゲームですが、、
・言語依存の大量カードをある程度把握しないとまともに戦えないハードルの高さ
・特定のカードが強いため、ブン回られるとワンサイドになる
・プレイする広い場所が必要
・エバーツリーが紙製なので、繰り返し組み立てていると劣化する
等が気になる点として挙げられます。
【まとめ】
見た目と世界観満点、ゲーム性もハイレベルな良ゲーです。特にカードゲームが好きな方には非常におすすめです。
可愛い動物の世界観に惹かれたら、是非ともプレイしてみてください!
- 1349興味あり
- 2254経験あり
- 975お気に入り
- 1717持ってる
ハナさんの投稿
- レビュードーフロマンティック・ボードゲーム非常に平和で牧歌的な、新しい時代の協力ゲーム。元々デジタルゲームだった...7日前の投稿
- レビューマルコポーロ2:キャラバンズマルコポーロ2(MP2)のミニ拡張です。マルコポーロシリーズは諸事情で...約2ヶ月前の投稿
- レビューマルコポーロの旅路:秘密の道名作「マルコポーロの旅路」のミニ拡張。この拡張では秘密の道カードという...約2ヶ月前の投稿
- レビューマンション・オブ・マッドネス:第2版GM不要!クトゥルフTRPGをボードゲームに落とし込んだゲーム。シナリ...3ヶ月前の投稿
- 戦略やコツグレート・ウエスタン・トレイル :ニュージーランド【GWTニュージーランドの戦略について】GWTニュージーランド(以下N...3ヶ月前の投稿
- レビューバルセロナバルセロナの特徴的な町並みをテーマにした、重めの中量級ゲーム。カードや...4ヶ月前の投稿
- 戦略やコツマルコポーロの旅路【マルコポーロ2のキャラクターで遊んでみよう!】(※ゲームの攻略とは少...4ヶ月前の投稿
- レビュールート:みはてぬ宝のあらもの騒記(拡張)最近日本語版が発売された、ルートの第3拡張。本拡張では・2つの新種族「...4ヶ月前の投稿
- レビューダーウィンズ・ジャーニー:ダーウィンワーカーミニ拡張(拡張)ダーウィンズジャーニーのミニ拡張。ダーウィン先生自らに働いていただく、...5ヶ月前の投稿
- レビューアルナックの失われし遺跡:消えた調査隊(拡張)アルナックの拡張第2弾。内容的には、・追加のリーダー「新聞記者」と「機...5ヶ月前の投稿
- レビューグランドオーストリアホテルルチアーニ&ジーリによる名作。グランドオーストリアホテルは、ホ...6ヶ月前の投稿
- レビューティルトゥム「ツォルキン」「マルコポーロ」でお馴染み、ルチアーニ&タッシー...7ヶ月前の投稿
会員の新しい投稿
- レビューファイブ・トライブス:ナカラの魔神使いマンカラ系の名作と謳われる本作。私は他のマンカラをプレイしたことはない...約3時間前by UTA
- レビューピキットとてもシンプルなカード争奪ダイスゲーム。ダイスを2つ振って、その数字の...約4時間前by UTA
- レビューゲームジャーナル89号 フランス革命1789フランス革命を、その始まりから終わりまでをプレイすることができるゲーム...約5時間前by Hide
- リプレイパンツァーブリッツ古いジェネラルに記事がありました。紹介します。図版はありませんが、現在...約7時間前by mikeko
- レビューチャーターストーン初のレガシーゲーム! 12ゲームのキャンペーンが終了したぞ! メンバー...約8時間前by matz_jon
- レビューセイル2人用トリックテイキングゲームの中で、個人的に1、2を争う位好きなタイ...約14時間前by みね
- レビューサニーオアレイニー晴れ、曇り、雨の宣言をして、決められた宣言数だけ山札からめくり連続して...約17時間前by うらまこ
- レビューヒート運要素があり楽しめました。車好きなので自分の趣味にも合ってました。約18時間前by 金賢守(キムヒョンス)
- レビュークーフシュタイン6/102023年スカウトアクション6位作品。この年の1位はリバイブ。...約18時間前by 白州
- レビューウォーターフォールパーク凄くルールがシンプルだけど、ボードゲームとはこれだよね!というのを凝縮...約18時間前by ヒロ(新!ボードゲーム家族)
- レビューモンスターヘクスご提供頂ける機会がありましたのでレビュー。かなり話題になった注目作。ゲ...約18時間前by 瀬戸夏希
- レビューラグランハ:ノーシエスタ!ラグランハの紙ペンゲーム。紙ペンゲームですがコンボ感は弱めで、人数分プ...約18時間前by うらまこ