5~6人用のマーダーミステリーです。
破格の安値で「魔女館」と呼ばれる洋館を落札した「家主」が、不穏な噂を払拭する為、事故物件コンサルタントの「探偵」に調査を依頼。アシスタントの「動画配信者」「霊感少女」の4人で、館に乗り込むが、そこには「記憶喪失の男」と「眠れる美女」がいた、という設定で、ゲーム開始の時点では、何も事件が起きていません。(2人ほど、不法侵入者はいます)
特徴は3つで、1つ目は「ホラー」。ゲーム序盤から「人を呪いで殺す館」「霊感少女」「幽霊だか亡霊だか」「幻影、あるいは、幻視」という超常現象を匂わせるフレーズが飛び交います。
また、ルール的には、各キャラクターには、狂気度、というパラメータがあり、何かを調べていると、上昇することがあります。狂気度が3点溜まると発狂してしまい、「発狂してもゲームから脱落はしません」とゲーム開始時に明示されていて、かつ、各自の狂気カードの裏側を読むことが許されるようになりますが、そうは言っても、当然、発狂するまでは何が書かれているかが分からず、誰もが発狂を避けようとするでしょう。
狂気度は、基本的に、何かを調べると上昇しますので、(発狂していなければ)1フェーズ中の調査回数に制限はない=調べれば調べるだけ情報は増えるが狂気度も増える、という他のマーダーミステリーにないスパイスが、よく効いています。
2つ目の特徴は「死」。よくあるマーダーミステリーでは、終盤の投票の後に死者が出ることがありますが、このゲームでは、中盤でプレイヤーキャラクターに死者が出ることがあります。ただ、ホラーゲームらしく、キャラクターが死んでしまったからと言って、即座にゲームから脱落する訳ではありません。
3つ目は「投票」。マーダーミステリーでおなじみの投票が、このゲームにもありますが、ゲーム開始時点では、何について投票するのかすら示されていません。
エンディングも凝っており、108のバラグラフで示された分岐を辿ることになります。誰が何のアイテムを持って、誰に対して「最後の選択」を行ったか、を条件として分岐を辿ることにより、「投票」の直後、あるいは、館を脱出した後に、プレイヤーキャラクターの身に何が起こったのか、が示されていきます。
個人的な提案ですが、このエンディング処理の最中に、「最後の選択がAですか?」と進行役が訪ねて、「はい、Aです」と返事があった時は、「Aの選択肢は具体的にはなんですか?」と確認した方がいいと思います。各キャラクターがどんな行動を選択したのが分からないと、エンディングの分岐を楽しめない可能性があります。「いいえ、Aではありません」という時には、確認は不要です。
(私達のプレイでは、エンディング直後、「なぜ私の『最後の選択』は、分岐に出てこなかったのか?」と揉めましたが、各自の選択肢の詳細を公開することで、「狙いが空振りしたので、分岐に出てこなかった」と全員が理解に至りました)
総じて、途中で公開される情報がダイナミックで、非常に楽しい時間を過ごせました。
物語の流れも納得がいくもので、「ゲーム内に登場する情報から、論理飛躍させないと、この真相には辿り着けない、無茶」という部分はありませんでした。
また、GMなしでプレイしても支障はなく、マーダーミステリーの最初の一作目としてプレイするのもおススメです。
なお、作者は「6人目はオマケ」と5人でプレイすることを推奨していて、私達も5人でプレイしましたが、6人でプレイするのも甲乙つけがたい、と考えます。
更に、この御時勢、5~6人とはいえリアルで集まってプレイするのは難しい、という方々向けに、TRPGツール「ユドナリウム」でのプレイを想定したデータ配布も行っていますので、オンラインプレイも検討してみては如何でしょうか。
- 投稿者:Sigma Siuma
- 44興味あり
- 101経験あり
- 15お気に入り
- 72持ってる
世界観/基本テーマ | |
---|---|
舞台の時代背景 | |
地域や文化圏など | |
ゲームの基本目的 |
プレイヤーの干渉/影響アクション | |
---|---|
情報の扱い方等 | |
その他のメカニクスや仕組み |
運・確率 | 2 | |
---|---|---|
戦略・判断力 | 1 | |
交渉・立ち回り | 2 | |
心理戦・ブラフ | 2 | |
攻防・戦闘 | 0 | |
アート・外見 | 1 |
レビュー 2件
リプレイ 0件
戦略やコツ 0件
ルール/インスト 0件
掲示板 0件
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